肩峰下インピンジメント症候群に対する、運動連鎖アプローチと普通のアプローチによる効果の違いはない

運動連鎖アプローチと普通のアプローチ

肩の問題に対して、運動連鎖に基づくアプローチと、一般的なアプローチを行い、効果の違いがあるかどうかを試した研究があります。

運動連鎖とは、ある関節の運動によって他の関節が影響をうけ、あるパターンで身体が連鎖して動くという概念です。

肩

研究では肩峰下インピンジメント症候群を対象としています。これは、肩を挙上していくとある角度で痛みやひっかかりを感じる症状のことです。Impingement/インピンジメントは、突き当たるという意味です。

この研究は無作為比較試験で行われました。

二つのグループはこのように分かれます。

  1. 肩甲帯ストレッチングと運動連鎖アプローチに基づく肩甲骨安定化運動を加えた強化運動グループ
  2. 肩甲帯ストレッチングと強化運動だけのグループ。

結果:ともに痛みは減少したが、二つのグループに有意な差はありませんでした。

・Effects of Scapular Stabilization Exercise Training on Scapular Kinematics, Disability, and Pain in Subacromial Impingement: A Randomized Controlled Trial. By Turgut E, et al. Arch Phys Med Rehabil. 2017.

結論

運動連鎖という複雑な概念による評価やアプローチは、実際にはあまり意味をなしません。つまり色々動かしたり、トレーニングをしたり、ストレッチをすれば、筋肉や末梢神経は変化し、脳の運動野と感覚野は変化します。

複雑な概念や信念は、施術者の自己効力感をあげるかもしれませんが、クライアント様にとっての価値はありません。

-Less is More-より少ない方がより豊かになる。神経系から考えると、このような結論になります。

また、複雑な概念化は、触覚や視覚、運動感覚などのパレイドリア(錯覚)を生み出しやすくなります。