痛み・疼痛

痛みは脳からのアウトプット

痛みとは脳からのアウトプット

痛み・疼痛

例えば、イスの角に小指をぶつけて「痛い!」となります。その際、痛みが小指から発生しているように感じますが、実際にはそのインプットは「侵害受容」と言います。

侵害受容とは?

侵害受容信号とは、簡単に言うと「警戒して」という脳へのインプット信号のこと。なぜ侵害受容信号=痛みではないのかと言うと、幻肢痛の問題があります。

原因がなくても痛みがある

幻肢痛とは、事故などで手足などを失った方が、無くなった手足に痛みを感じる現象を言います。つまり侵害受容信号というインプットがなくても、痛みを感じる事があるということです。ですので、侵害受容=痛みではないのです。

脳内のニューロマトリックス

メルザック という方が提唱した疼痛理論が、ニューロマトリックスです。イスに小指をぶつけた痛みは、侵害受容信号というインプットを脊髄を介して脳へ送ります。そこで過去の記憶や経験と、その時の情動と混ぜ合わせます。そこでその侵害受容信号が痛みだと結論が出たら、脳からのアウトプットとして、痛みを感じます。つまり、痛みとはインプットではなくアウトプットです。別の言い方をすると、末梢からのボトムアップではなく、脳からのトップダウンとも言えます。

徒手療法と痛み

これらのことから、痛みとは組織から起こる場合もあるが、脳内で起こる個人的な感覚といえます。ですので、筋骨格のバランスや軟部組織の硬さをリリースするということは、疼痛緩和の一部でしかありません。あくまでメインは脳を含めた神経系で起こってる事柄なのです。

痛みとバイオサイコソーシャル

バイオサイコソーシャルとは、生物心理社会的なアプローチのことです。筋骨格や軟部組織は生物のジャンルになります。そのほかに心理的な要素、また他の人との関係性である社会的な要素も含めて、疼痛というものを考えることが必要です。

インプットからアウトプットを変える

脳からのアウトプットという痛みを変えるには、

  1. 脳につながる皮神経や末梢神経とその血流の変化。
  2. 心理的には警戒しない安心感。
  3. 社会的には施術者との信頼関係。

という穏やかなインプットが必要です。

脳内の身体マップの変化や、自律神経系による血流の変化、痛みによる脊髄反射が抑制されることによる筋緊張の減少なども起こります。

痛みとは組織の問題だけではなく、脳を含めた神経系の問題という意識を持つことは、クライアント様のために必要な知識だと思います。