腸内細菌と線維筋痛症・慢性疼痛との関係性

腸内細菌と線維筋痛症・慢性疼痛との関係性

腸内細菌叢とは、腸内にいる最近や微生物のことです。

それが多くの疾患に関与しているという研究があります。

例えば、炎症性疼痛、頭痛、神経障害性疼痛、オピオイド耐性、末梢性感作、中枢性感作、アルツハイマー病、パーキンソン病、自閉症、うつ病、慢性疼痛などです。

非常に多いですね。

まずは一つ目の研究です。

腸内細菌叢の研究

腸内細菌叢は自律神経を通じて脳と影響を与え合っているということが、分かってきました。免疫、神経系、腸内環境は相互作用しています。ですので、末梢神経に問題が起きる神経障害性疼痛にも関与しています。

ですので、慢性疼痛に重要な役割をはたすと言われており、痛みの感じ易さや敏感さを調整する役割すらあると言われています。

中枢性感作とは簡単に言えば中枢神経が敏感になっている状態で、末梢性感作とは身体が敏感になっている状態です。

 

「最近のエビデンスは、腸内細菌叢が炎症性疼痛、頭痛、神経障害性疼痛、オピオイド耐性など、他の多くのタイプの慢性疼痛でも重要な役割を果たすことを示唆している。

中枢神経系では、腸内細菌叢由来のメディエーターが神経炎症を調節し、これは血液脳関門の細胞、ミクログリア、浸潤免疫細胞の活性化を伴い、中枢感作の誘導と維持を調節する

したがって、腸内細菌叢は末梢および中枢神経系の疼痛を調節し、食事および薬物療法介入による腸内細菌叢の標的化は、慢性疼痛の管理のための新しい治療戦略を表す可能性があることを提案する。

最近の研究では、腸内細菌叢が末梢神経の外傷によって引き起こされる神経障害性疼痛に重要な役割を果たすことも実証された。

腸の微生物叢が、慢性疼痛条件下での末梢神経系の神経興奮性の直接的または間接的な調節において重要な役割を果たす可能性があることを示唆している。

Pain regulation by gut microbiota: molecular mechanisms and therapeutic potential 

Ran Guo, Li-Hua Chen, Chungen Xing and Tong Liu  

膝関節症と低炭水化物食

この研究は、変形性膝関節症患者を低炭水化物食にしたら疼痛が軽減されたというものです。糖質をとりすぎることは炎症しやすさにつながり、脳にも末梢神経にもマイナスになる可能性があります。

炎症しにくい食事(糖質控えめで脂質も控えめ)をとると12週間で痛みが減る可能性があるという研究結果です。

12週間にわたって、低炭水化物/LCDは低脂肪/LFDおよび通常通り/CTRLと比較して、いくつかの機能的疼痛課題における疼痛強度および不快感、ならびに自己申告による疼痛を軽減した。

酸化ストレスの減少は、機能的疼痛の減少に関連していた。

酸化ストレスは機能的疼痛に関連している可能性があることを示唆する証拠を提示し、低炭水化物/LCD介入を通じて酸化ストレスを低下させると、疼痛が緩和され、オピオイド薬の代替になる可能性がある。

以前の研究では、食事で消費される高レベルの炭水化物は、炎症誘発性サイトカインの産生を増加させると思われる炎症誘発性プロセスである、最終糖化最終産物(AGEの形成につながることが示されている。

ラットでの以前の研究では、炭水化物と脂肪を多く含む食事は、脊髄のミクログリアの活性化を高め、末梢炎症を増加させ、ラットおよびマウスの炎症性損傷後の過敏症を延長することが示されている。

さらに、低炎症食は、同じ炎症性損傷の後、より迅速な回復と疼痛過敏症の低下につながることを示した。

わずか12週間で、この集団の生活の質と機能的疼痛が大幅に改善された。これは、酸化ストレスの減少の結果である可能性がある。

The Effect of Low-Carbohydrate and Low-Fat Diets on Pain in Individuals with Knee Osteoarthritis

Larissa J. Strath, Catherine D. Jones, MSPH, Alan Philip George, Shannon L. Lukens, Shannon A. Morrison, PhD, CRNP, Taraneh Soleymani, MD, Julie L. Locher, PhD, Barbara A. Gower, PhD, and Robert E. Sorge, PhD

線維筋痛症と腸内細菌層

線維筋痛症と腸内微生物叢とは相関性があるという研究です。慢性疲労症候群も同じような特徴があったということ。

腸内環境の変化が先か、線維筋痛症になったから腸内環境が変化したのかはまだよく分かっていませんが、関係性があるというのはこの研究から考えることができます。

どちらにしても「食事内容は非常に重要」です。

 

微生物叢の組成の変動は、他の生得的または環境的変数よりも線維筋痛症関連の変数によって説明され、線維筋痛症の臨床指標と相関していた。

同様に、慢性疲労症候群(CFS)の患者は、線維筋痛症といくつかの症候性の特徴を共有しており、腸の微生物叢とメタボロームのプロファイルが変化していることが示された。

最後に、いくつかのリウマチ患者、関節リウマチや脊椎関節症などの疾患も、マイクロバイオームの変化が報告されていた。

この研究の結果は、線維筋痛症における腸内微生物叢の変化の証拠を提供する。

Altered microbiome composition in individuals with fibromyalgia

Amir Minerbia, Emmanuel Gonzalezb, Nicholas J.B. Breretond, Abraham Anjarkouchiane, Ken Dewarc, Mary-Ann Fitzcharlesa, St ´ ephanie Chevaliere, Yoram Shir 

まとめ

これらのことから、腸内細菌叢は

・炎症性疼痛、頭痛、神経障害性疼痛、オピオイド耐性、末梢性感作、中枢性感作、アルツハイマー病、パーキンソン病、自閉症、うつ病、慢性疼痛と関与している。

・線維筋痛症などの慢性疼痛と関係している。

ことが分かります。

さらに低炭水化物食に変え、炎症を起こしにくくすることで疼痛が軽減する可能性も示唆されています。

個人的意見として慢性疼痛に関しては、腸内環境の改善や変化によって、痛みの軽減が起こり得ると思います。

薬、ブロック注射、認知行動療法、徒手療法、運動療法などで痛みが改善しいない場合は、日ごろの食生活を改善してみてはいかがでしょうか?